鳥取県産業技術センターと協力して開発した圧密加工技術により、スギ・ヒノキの間伐材を圧縮して、広葉樹と同等の強度の実現に成功しました。圧密材は扱いやすくて丈夫なだけでなく、「肌触りの良い木目の美しい材」になりました。弊社はこの美しい材料を使って製品化を行っています。
スギ・ヒノキは高級な木材でありながら、細い間伐材の状態では強度が弱く、傷もつきやすいため建築材料に適していません。間伐を怠ると森林の管理サイクルがうまく行かず資源価値が損なわれてしまったり、森林維持が困難になったりする問題があります。 (間伐とは密生した枝を払って陽の光が差し込むように管理することで、木の生育が均一になり、また適度な下草を維持することで土壌の安定にも繋がります。)
圧密加工技術は、スギ・ヒノキの間伐材の使い道を広げて、森林の維持を助けることに役立ち、木をうまく使うことが森林を守ることになるのです。
加工はまず材料を据え付けて、加工槽内へ入れます。この時、均等に力が加わり、また潰れて横に広がらないように工夫をします。加工槽内をいったん真空状態にした後、蒸気で加熱しながら材料を柔らかくします。その後、ゆっくりと圧縮して、さらに加熱して固めます。
木目の美しさと強度を兼ね備えたスギ・ヒノキ圧密材の用途には、まだまだ色々な可能性があります。家具や文房具、生活用品にも従来プラスチックが使われていた分野も工夫次第で置き換えることが出来るでしょう。
弊社ではこれらの開発を今後もチャレンジし続けて参ります。
右の写真 90mm x 50mm x 600mm 、圧密後(50mm,50mm,600mm)
(過熱水蒸気オーブンレンジの約半分の出力です)
(一般的にスギ・ヒノキなどの針葉樹は約0.3?0.4g/cm3、ブナ・ケヤキなどの広葉樹は約0.8?0.9g/cm3です、圧密化することで広葉樹と同等の比重になり、強度も約4倍近く増加します。黒檀や紫檀などの高級唐木を上回る比重を得ることも可能です)